2018年9月29日土曜日

NeXT Summer Cupメタリポート







先日行われたNetEase Esports X Tournament - Summerのヒーローピックレート(使用率)を算出してみました。サンプルが下画像の4試合分しかないのであまりガッツリしたメタリポートではなく簡単にまとめることにします。


■全体の使用率
まずは4試合全体のピックレートを紹介します。

Sティア(<95%):該当者なし

ティア1(<80%):該当者なし

ティア2(<50%):D.VA(72.2%)、ブリギッテ(56.5%)、アナ(51.6%)、ルシオ(51.5%)、ゼニヤッタ(51.3%)

ティア3(<20%):ウィンストン(39.6%)、ソンブラ(30.7%)、ゲンジ(29.1%)、マーシー(27.7%)

ティア4(<5%):ラインハルト(19.5%)、レッキングボール(18.7%)、マクリー(18.1%)、ファラ(14.8%)、ザリア(14.6%)、トレーサー(14.3%)、ドゥームフィスト(11.9%)、ウィドウ(9.6%)、ハンゾー(7.4%)

ティア5(>5%):オリーサ(4.6%)、モイラ(2.6%)、ソルジャー(2.3%)、メイ(1.0%)、トールビョーン(0.61%)、バスティオン(0.28%)、ロードホッグ(0.27%)、リーパー(0.2%)、ジャンクラット(0.01%)、他(0%)



なんと最高使用率はDVAの72.2%でティア1とティアSは存在しません。これだけを見たらSティアの定義である”どんな状況でも常に活躍できるOPヒーロー”は存在しないことになります。これはほとんどのヒーローがピックされうる、つまり状況に応じて適切なヒーローをピックすることが重要な環境といえるでしょう。

GOATs構成の核となるラインハルトとザリアはあまり使用率が高くないですが、そのことについて詳しくは後述します。

サポートの中でもモイラは圧倒的に使用率が低いですが、もはやGOATsにも彼女の席がなくなっていることを意味しています。



■ロールごとの使用率
 ・ダメージ
ソンブラとゲンジがツートップ。その2人のカウンターのマクリーが続き、タンクへのカウンターとしてファラ・トレーサー・ドゥームフィストと並んでいます。スナイパーの使用率は大きく減り、あとのヒーローは数分しか使われていません。


 ・タンク
全体の使用率でもダントツトップのDVAがタンク使用率の約半数を占めています。どのマップでもどんなタンクの相方としても有能です。メインタンクはマップや構成によって様々なピックがされています。ロードホッグは全試合合計で1分未満しか使われていません。


 ・サポート

サポートは四天王が約8割と圧倒的です。ここまで使用率に差がないということは、それぞれの適切な状況を理解し使い分けているということになります。マーシーの使用率はトップと比べて半分以下ですが、そのほとんどはファラと一緒に起用されています。



■GOATs構成が少ないワケ
全試合のうちGOATs構成と呼ばれる3タンク3サポート構成は約12%でした。Runawayのピックのみに絞っても約15%と中国チームが嫌っているというわけでもないようです。
確かにGOATsは強いです。しかしGOATsを使わなくても十分に戦えることもまた確かです。彼らがGOATsを選ばなかった理由をいくつか考えてみました。

  1. マップピック
    今大会でピックされたNumbaniやDoradoなどは、高低差がありGOATsのカウンターであるドゥームフィスト/ソンブラ/ファラがピックしやすいマップとなっています。ヒーロープールの広い選手/チームならより適切なピックをするでしょう。
  2. 強みを生かす
    今のメタには様々なアプローチの仕方が存在します。GOATs/3DPS/3サポ/3タンクなど構成を尖らせたり、ゲンジやドゥームフィストやハモンドなど個人技に長けた選手の持ち味を生かすような戦い方をしたりもできます。受け身がちなスタイルより強みを押し付けたチームの方が勝ちやすいように思います。
  3. 純粋に苦手
    ヒーロープールが狭い選手がいたりして個人・チームともにあまり練度が高くない場合はいくらGOATs構成でも勝つのは難しいでしょう。そういう場合は無理に苦手な構成を使わなくとも自分たちの長所を伸ばす戦い方ができるのが今のメタの良い点です。中国がワールドカップで見せたような独自の”ガラパゴスメタ”こそが強みを押し付けるスタイルを助長しているのだと思います。


■結論
最新パッチでトップチームはどんなことを考えながらプレイしているのか非常に興味があったのでこうして数値化してみましたが、わかったのは今までのオーバーウォッチのように最強メタ構成を完コピするのではなく、自分たちがやりたいことを自分自身で考え行動するという最も原始的なことでした。しかし実際にそれを実行するにはゲーム理解度・メタ理解度・ハンドスキル・ヒーロープールなどなど様々な壁が立ちはだかります。今重要なのは”考えること”です。最適解がわかっていてその練度をあげていけばよかった今までとは違い、自分たちで最適解を求めないといけないこのメタで、考えることを放棄し歩き続けることをやめた人間はもはや枷のついた罪人です。あなたはプレイ中だけでなくプレイしていない時も考えていますか?



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